訪問看護ステーションでの医療事務の仕事内容
訪問看護を利用して、在宅での療養を希望する方も増えてきました。
住み慣れた場所で療養したい、また、新型コロナウィルスの流行により、
病院や施設入所では家族となかなか面会ができないという理由もあるようです。
訪問看護の需要にあわせて、各地で新しい訪問看護ステーションも開設されているので
オープニングスタッフでの事務職の求人もあるようです。
訪問看護ステーションでの医療事務(介護事務)の主な仕事内容には
・レセプト作成(医療保険と介護保険の両方)
・カルテ作成と管理/利用者の保険情報等の管理
・医師、ケアマネージャー、利用者などからの電話対応
・文書管理(指示書・ケアプラン・報告書・などの管理)
・物品の管理(注文/補充)
・訪問実績のチェックと報告
・利用者への利用料請求
などがあります。
専門の事務職がいる事務所と、管理者や職員が兼務で事務作業を行っている所もあります。
事務職の人数にもよりますが
・総務、経理関連の事務
・訪問のスケジュール調整
・事務所の清掃
なども任される場合があります。
病院やクリニックでのレセプト経験があっても、レセプトの記載内容(基本療養費や加算等)が違うものになるので最初は戸惑うかもしれません。
今は、訪問看護の事務職の経験者は比較的少ないので、未経験でも入りやすい職場かもしれません。
訪問看護ステーションでの医療事務の仕事:病院やクリニックとの違い
病院やクリニックとの医療事務の大きな違いは
- 医療保険と介護保険の両方の請求業務がある
- 「訪問看護療養費明細書」で提出する。(診療報酬明細書とは内容が違う。)
- 訪問看護指示書、サービス提供票、ケアプランのチェックが必要
などがあります。
1.医療保険と介護保険の請求業務がある
病院やクリニックでは、料金(療養費)は医療保険を利用して請求します。
訪問看護を利用する場合の料金(療養費)は
医療保険だけでなく介護保険を利用する場合もあります。
医療保険か、介護保険か、どちらになるかは、
医師の出す訪問看護指示書の内容によって決まります。
訪問看護ステーションで請求業務を行うには、介護保険と医療保険の両方の知識が必要です。
2.「訪問看護療養費明細書」と「診療報酬明細書」
訪問看護の療養費は、病院やクリニックのレセプトとは異なり、
「診療報酬明細書」ではなく、「訪問看護療養費明細書」 を作成して請求を行います。
「訪問看護療養費明細書」は、訪問看護基本療養費、訪問看護管理療養費を中心に、
訪問のサービスを行った日数や時間などによって計算します。
利用者は訪問サービスの度に支払いをするのではなく、一ヶ月ごとの支払いです。
一ヶ月分の訪問看護療養費の算定を行って金額が確定してから、
利用者と社会保険診療報酬基金、国民健康保険団体連合会に請求書を送ります。
3.訪問看護指示書、ケアプラン、サービス提供票のチェックが必要
医療保険での訪問看護のサービスは、主治医が出す「訪問看護指示書」によって、
行うことができます。
指示書に記載されている期間以外にサービスを行っても、医療保険での請求はできません。
サービスを行っている間のは指示書の期限が切れないように、指示期間をチェックして、
指示期間が切れる場合は継続して指示書を書いてもらえるように依頼する必要があります。
介護保険での訪問看護を利用するには、ケアマネージャーの作成する「ケアプラン」に訪問看護が含まれ、更に医師の指示書が必要です。「サービス提供票」のスケジュールに基づいてサービスを行います。
ケアプラン、指示書の期限が切れていると請求ができないので、
サービスを行っている間のケアプランが切れないようにチェックする必要があります。
また、月初には、前月分のサービスの実績(単位数)をケアマネージャーに報告します。
ケアマネージャーの提出する「給付管理票」と「介護給付費明細書」の内容が
違っていると返戻(へんれい)となり、介護給付費が全額支払われないこともあります。
月末~月初のレセプト提出に間に合うように実績の確認・入力を行い、単位数があっているかを確認してもらいます。